スコアリング機能を活用して購買ピラミッドをベースとしたホットリードの抽出ができたら、次に直面する課題はホットリードからの商談化率になると思います。
マーケティング部門が時間と手間をかけて引き上げたホットリード。
営業部門に引き渡した後にできるだけ多くが商談化され、最大限に活かされるようにするためには「インサイドセールス」による最後の一押しが必要になります。
本ステップでご案内するインサイドセールスの実行には実行リソースの問題など、運用開始までにクリアすべき課題が多くあります。しかし、SMPで成果を出すためには最も重視すべき運用であることも事実です。ここまでのステップで開始した運用を確実に実行しつつ、商談化・受注までの最後のひと押しとして是非体制の構築をご検討ください。
01インサイドセールスはなぜ必要なの?
必要な理由①フィールドセールスが商談化しやすい状況を作るため
インサイドセールスの主な役割は、「ホットリードの商談化率を高めること」になります。
スコアリング機能により、購買ピラミッドの各フェーズにおけるリードの温度感を判別できるようになりましたが、営業担当者としては購買ピラミッドと数値としての優先度だけ引き継がれても、定性的な情報に欠けるため、リード個別のアプロ―チには活かしにくい状況にあります。
そこで、営業部門が必要な情報をヒアリングして営業部門に引き継ぐインサイドセールスが必要になってくるのです。
インサイドセールスがいると、ホットリードはまずインサイドセールスに引き渡され、その後フィールドセールスにパスされます。インサイドセールスを介することで、ホットリードの確度を上げることができます。
必要な理由②フィールドセールスの負担軽減
これまでの売り切りモデルであれば、営業部門の活躍の場は商談のみでした。
しかし、現在は商材を販売したあとの継続利用のためのサポート、年間の契約更新、順次追加される新機能の学習等、これまで以上にフィールドセールスの負担が大きくなっています。
これらすべての長期プロセスをフィールドセールスのみで対応するとなると、ホットリードへの対応が遅れたり漏れてしまったりというトラブルが発生し、商談の機会損失に繋がる可能性もあります。
そのため、購買ピラミッドフェーズは高いところにあるがスコアの低いリードをインサイドセールスが巻き取り、フィールドセールスと分業体制を築くことにより、フィールドセールスの業務負荷を軽減し、同時に商談化の質も高めることができるのです。
02営業部門にとって不可欠な「BANT条件」をヒアリング
インサイドセールスがリードからヒアリングする情報としておさえておきたい項目は、「BANT」、あるいは「BANTCH」などと呼ばれます。その内容は以下の通りです。
- B…Budget 予算
- A…Authority 決済権
- N…Needs 必要性
- T…Timeframe 導入時期
これに、以下の2つを合わせて「BANTCH」と呼ぶこともあります。
- C…Competitor 競合
- H…Human resources 社内人材
このなかでNeedsだけは、MAによってかなり把握できています。 AuthorityやHuman resourcesについては、多少の情報は得られますが不十分です。 BudgetとTimeframe、それにCompetitorは営業部門にとって非常に重要な情報ですが、MAではほぼ入手できていません。インサイドセールスがいればこうした情報をヒアリングすることができるので、フィールドセールスに渡す段階ではかなり確度の高いホットリードとなっています。
03シャノンでのインサイドセールスの運用例
シャノンではマーケティング部門の中でインサイドセールス部を運用しています。
当初はわずか3名のマーケティングメンバーでインサイドセールスを立ち上げ、初年度で昨年対比171%を達成、次年度はアポ獲得数を205%達成しました。
シャノンがいかにしてここまでインサイドセールス立ち上げに成功したのかについては、以下をご参照ください。
04インサイドセールスを実行するためのSMP設定例
それでは、インサイドセールスがどのようにSMPを活用していけばいいのか、一緒に確認していきましょう。
4-1.構築/運用編
以下の記事に記載ある設定手順を参考に、インサイドセールスの構築と運用を実行しましょう。
05まとめ
インサイドセールスのメリットについてご理解いただけましたでしょうか?
ここまでの内容を理解しているかどうかを、以下のチェックリスト項目で確認しましょう。
▢インサイドセールスとはなにか理解することができた
▢インサイドセールスが必要な理由が理解できた
▢インサイドセールスの運用例について理解し、自社で運用していくイメージがもてた
インサイドセールスの働きかけは、商談化率を高めるために非常に有効ですが、リード数が多いと、定性的な情報を営業部門に引き継ぐ作業は簡単なことではありません。
そこで有効なのが、MAとSFAのデータ連携です。 営業部門はホットリードに関するMAに蓄積された履歴を自ら確認して、リードのバックグラウンド情報を営業活動に役立てることができます。
続いての『ステップ10:SFA/CRMを連携しよう』では、マーケティング部門→インサイドセールス→フィールドセールス部門の分業を効率的にまわして成果を最大化させるための連携ツールをご紹介します。