この記事ではマーケティング活動促進を目的としたクレンジング機能の概要と活用方法についてご紹介します。
目次
1.クレンジング機能とは
イベントやWeb申込によって企業に蓄積された顧客データを実際に活用していくには、データの品質維持が非常に重要です。欠損データをそのままにしてしまうと、無駄な管理コストがかかってしまったり、顧客トラブルの発生に繋がってしまう可能性があります。
クレンジング機能は、SMPに登録されたそれらのデータ文字のゆらぎを統一し、データの標準化を行う機能になります。データ精度と品質を維持し、マーケティングに対する正しい分析や投資を行う上で必要な機能です。
また、標準化されたデータから日々のリードナーチャリング活動に価値のある情報を算出し(例:役職ランク、職種など)、それを付加します。
図:クレンジングイメージ図 |
2.機能概要
クレンジング機能では、データの品質維持および誤った意思決定を行うリスクを回避することが可能です。
図:シャノンが提供するクレンジング概要 |
クレンジング機能により、取得したリードデータ・個人情報を統合し 、データ入力ルールにもとづいて、クレンジングを自動的に実行します。
さらに、独自の辞書DB(データベース)による部署・役職情報の自動付与や、営業担当の自動アサインなども可能になります。
3.機能メリット
クレンジング機能の機能メリットとしては、以下になります。
①作業コストの削減
クレンジング機能を利用して、リードの住所・閉め―データを表記統一することで、統合期間短縮と作業コスト削減に繋がります。
データに欠損があると、修正のための大幅なコストがかかってしまい、その結果人的コストも増大してしまいます。
データを整理することにより、業務のスピードが上がり、そのようなリスクを軽減することができます。
②分析の精度向上
クレンジング機能を活用することにより、表記のゆらぎや重複を削減することができるため。顧客データの正確性が向上します。
マーケティング施策を講じる際の分析のもととなるデータの正確性が向上することにより、分析結果の精度も向上されます。
4.活用事例
クレンジング機能の活用事例についてご説明していきます。
今回は、クレンジング機能を利用して、WEBフォームや、展示会で獲得したリードに対し、担当営業情報を自動付与することで商談化率を高める活用方法をご紹介していきます。
これにより、獲得リードの営業テリトリーアサインにかかる作業工数や閲覧時間を削減し、迅速なフォロー活動が可能になります。
図:クレンジング機能 活用イメージ |
上記活用事例の運用イメージは以下のようになります。
この記事では、以下の運用フローにおける黄色い枠で囲われているステップについて具体的にどのような設定をおこなっていけばいいのか、ご紹介していきます。
図:クレンジング機能 運用イメージ |
紹介するステップはおおきく4つに分けられます。
- クレンジング設定
- CSVアップロード
- 自動クレンジング実行結果の確認
- フォロー施策
図:クレンジング機能 活用イメージの詳細 |
5.クレンジング設定
「①クレンジング設定」のステップで行わなければいけない作業は以下4点になります。
5-1.事前準備
まず、SMPのクレンジング機能を利用できる状態に準備をします。
- クレンジング機能の有効化
データクレンジングのご利用を希望される場合、弊社の営業担当者までお問い合わせください。お申込みが完了し次第、弊社の営業から有効化のご連絡を行います。 - ロール権限をオンにする
ご利用になるユーザのロールに対し、データクレンジングの権限を有効にする必要があります。
有効化手順につきましては、「【SMPマニュアル】ロール(権限)を有効化する」をご参照ください。
5-2.リード基本項目の設定
リード項目に『担当営業名』、『担当営業部署』、『担当営業e-mailアドレス』を追加しましょう。
追加手順については「【SMPマニュアル】リード項目を設定する」をご参照ください。
- 「表示/非表示」項目を「管理者側のみ表示する」に選択しましょう。
- 『担当営業部署』はプルダウン形式で選択できる設定にしておくといいでしょう。
5-3.カスタム変換ルール(会社名整理)を作成する
担当営業情報を付与する前に、的確に担当営業情報を付与できるようにするために以下2つの変換ルールを会社名に適用していきます。
- 変換ルール1:法人略称統一ルール
- 変換ルール2;半角→全角ルール
作成手順は以下になります。
- [クレンジング]>[ルールセット一覧]を選択します。
- 右上の「新規登録」ボタンをクリックします。
- 以下の変換ルールを設定して、[登録]ボタンをクリックします。
5-4.カスタム変換ルール(担当営業情報付与)を作成する
企業名から、アサイン情報(『担当営業名』、『担当営業部署』、『担当営業e-mailアドレス』)を付与するために、カスタム変換ルールを作成します。
- カスタム変換ルールを利用することにより、ある文字列に対して、同時に複数の項目を更新することができます。
作成手順は以下になります。
- 全キャンペーン管理画面のサイドメニューより、[クレンジング]>[カスタム変換ルール]を選択し、右上の[新規登録]ボタンをクリックします。
- データクレンジング登録情報画面に遷移したら、[ベースファイルをダウンロード]をクリックします。
- 以下の表のように、after の列を after1, after2, after3 … のように変換したい項目数分増やして作成し、それぞれの項目に以下を設定します。
以下は、beforeに記入された展示会や資料請求で獲得したリードの企業名にSMP上に登録あされた企業名が一致した場合、after1~3に設定した担当営業情報を付与する設定になります。
▼設定項目
before
after1
after2
after3
option
会社名 担当営業名 担当営業部署 担当営業e-mailアドレス 完全
▼設定例
カスタム変換ルールのCSVファイル使用ルール・制限につきましては「【SMPマニュアル】カスタム変換ルールのCSVファイルについて」をご参照ください。 - 手順2のデータクレンジング登録情報画面に戻り、変換ルール名と手順3で作成したCSVを登録します。
- 以下のようにカスタム変換ルールが登録されていることを確認します。
- ルールセット一覧に再び遷移します。
- 5-3で作成したルールセット「37:会社名整理」の編集リンクをクリックして、今回作成したカスタム変換ルールを追加します。
- 参照元1には「会社名」を選択し、
カスタム変換ルールで作成したCSVファイルの「最初のafterの列の値」が「反映先1」に、「2番目のafterの列の値」が「反映先2」に反映されるので、変更したい項目を順番に選択して作成します。 - 不一致時の動作を設定します。
この設定ではクレンジング実行時に参照元に該当する値がなかった場合、反映先に入る値を次のように指定します。
今回の場合、参照元に設定した「会社名」のリード基本項目値がなかったとき、反映先に入る値は「何もしない」が適切でしょう。
▼不一致時の動作の選択肢と内容
選択肢 内容 何もしない
反映先の値を変更しません。クレンジング前の値を維持します。
常に空白
反映先の値を空白で上書きします。
参照元の値にする
反映先の値を参照元の値で上書きします。
固定の値にする
反映先の値を固定値欄に入力した値で上書きします。固定値欄は「固定の値にする」を選択すると入力することができます。
- ルールセット名を分かりやすいように、「会社名整理」から「担当営業情報付与」に変更し、「登 録」ボタンをクリックします。
5-5.クレンジング自動実行設定をする
5-4で作成したルールセットを実行し、クレンジング機能を稼働させます。
- 5-5で作成したルールセットを有効化します。
有効化手順についての詳細は、「(SMPマニュアル)クレンジング実行手順_ルールセットの有効/無効」を参照してください。 - WEBからのキャンペーン申込時などにデータクレンジングが自動で実行されるように設定します。
自動実行の手順については、「(SMPマニュアル)クレンジング_申込自動実行の設定」に記載があるので参考にしてください。
6.顧客情報のCSVアップロード
クレンジングルールセットの作成と自動実行設定が完了したら、顧客情報のCSVファイルをアップロードしてリードを一括登録しましょう。
- 「リード」>「一覧」より、「アップロード」ボタンをクリックします。
- リードデータ画面に遷移したら、「ベースファイルダウンロード」をクリックしてファイルをダウンロードしましょう。
- ベースファイルがダウンロードされたら、展示会や資料請求で得たリード情報を入力します。
設定の詳細方法については以下マニュアル「リードを一括登録する」の手順6~7をご参照ください。
・【SMPマニュアル】リードを一括登録する
【Point!】
「5-4 カスタム変換ルールを作成する」で企業名をキーに営業担当情報を付与するルールを設定しているため、企業名は必ず入力するようにしましょう。 - CSVファイルをアップロードします。
アップロードの詳細手順については、以下マニュアル「リードを一括登録する」の手順8~9をご参照ください。
・【SMPマニュアル】リードを一括登録する
7.クレンジング実行結果の確認
クレンジングの実行結果の確認については、以下マニュアルをご参照ください。
なお、今回のようにCSVにてアップロードした顧客のクレンジングを行いたい場合、CSVをアップロードした後に以下の手順に従って手動実行を行いましょう。
- [クレンジング]>[ルールセット一覧]をクリックします。
- 5-3と5-4で設定したルールセットを有効化し、それ以外のルールセットは無効にします。
- [クレンジングの開始]ボタンをクリックします。
- 『6.顧客情報のCSVアップロード』で登録した顧客の検索条件をあらかじめ保存しておき、[検索条件を選択]項目で選択します。
検索条件の保存方法については「(マニュアル)リード>検索条件を保存する」をご参照ください。 - [実行]ボタンをクリックします。
- 実行結果の確認方法については、以下マニュアルをご参照ください。
・【SMPマニュアル】データクレンジングの管理者による実行
8.フォロー施策
ここまでで、クレンジング機能を利用して営業担当者とリード情報の紐づけが完了しましたので、実際に担当のリードに対してフォローを行っていきます。
営業担当者へのリード割り当て通知は、シナリオ機能を活用して行うとよいでしょう。
シナリオ機能で行うことにより、CSVでアップロードしたリードの中から、更にメールや動画再生などのマーケティングアクションに対して反応したホットリードに対して集中的にアプローチすることが可能になります。
シナリオ機能を利用したホットリードの抽出方法については以下チュートリアル動画をご参照ください。
9.まとめ
以上により、獲得リードの営業テリトリーアサインにかかる作業工数や閲覧時間を削減し、迅速なフォロー活動が可能になります。
クレンジング機能をかつようすることで、担当営業情報を自動付与し、商談化率の向上に繋げていくことができます。
10.関連チュートリアル動画