STEP04の記事では、KPI目標の考え方やKPI実績の取得方法をご紹介しています。
施策を「何となくこれから行ってみよう」ではなく「○○だからこの施策の実行が優先度が高い」と根拠をもって実行できるよう、「実行すべき施策の洗い出し」「施策の実行優先度」を考えるための材料を一緒に作りに行きましょう。
01顧客を理解する(カスタマージャーニーマップ作成)
1.1 作る目的を理解する
シャノンが実施しているスタートアップトレーニングを終え、次にやるべき内容を検討する段階の方が多いのではないでしょうか。
施策がどのような流れをたどればいいのか見通しが立てられない場合に、カスタマージャーニーマップを作成することで「実行すべき施策の洗い出し」「施策の実行優先度」を考える材料になります。
カスタマージャーニーマップの各工程で、顧客の動きや、アクションに対する顧客の心情を洗い出すことで、自社に合った施策の特定を行える状況を生み出すことが可能です。
なんとなく施策を進めるのではなく、根拠をもった施策を実行するためにカスタマージャーニーマップの作成を行いましょう。
作成にあたり、まずはじめにシャノンで用意した簡易的なカスタマージャーニーマップのサンプルテンプレートをご利用ください。
SMPを使ったマーケティングを始めたばかりの方が行う基本的な運用に基づいたサンプルテンプレートです。
このテンプレートでは、ゴールを「フォームへの申込(リードの新規獲得)」とし、実際の顧客の行動の流れと発生するであろう課題をまとめています。
カスタマージャーニーマップ |
※テンプレートに記載がない工程が複数ある場合は、行を追加して使用することも可能なため、運用に沿ったカスタマージャーニーマップの作成を行ってください。
1.2 作る時の考え方やポイントを理解する
「1.1 作る目的を理解する」で記載したサンプルテンプレートは、今回の初期段階の使用にとどまらず、今後レベルを上げて運用をし続けていく中で再検討していく必要があります。
本章では、カスタマージャーニーマップの基本的な考え方をサンプルテンプレートを基に説明します。
STEP1. 顧客の期待値を洗い出す
期待値を洗い出すために、まずはA列~C列の記載から行います。
各工程を整理し、それぞれのシチュエーションにおいて顧客はどのようなことを考えるのかを想像して書き出します。
施策を何となくこれから行ってみようではなく、顧客が考えていることに仮説を立てることで、効果の高い施策を検討できる状態にします。
図1.A列~C列のイメージ |
A列~B列:シチュエーション
まず、貴社が提供する運用業務に対する大きな工程・その工程で行われる要素を整理します。
ポイントは、最初に工程(STEP1を参照:リンク等で飛べるようにする)を書き出すことです。
自分達はどの工程の業務を構築していて、構築していないものは何かを明確にします。
その次に、各工程で「お客様」が実行する要素を書き出していきましょう。
このシチュエーションは細かく考えることで課題をより鮮明化できます。
例えば、認知の工程での「解決したい課題を検索する」にしても、スマートフォンを利用するのか、PCで検索するのか等で細分化することが可能です。
ただし、まずは大きな流れを書き出すことを意識することが大切です。
C列:顧客は何を考えているか
C列では、各シチュエーションで顧客が求めている要素や考えているであろう要素を想像して書き出していきます。
あまり詳細にこだわらず、自分がその立場であれば、を想定して恐れずに書き出していきましょう。
実際に自社サイト等を触りながら書き出すと想像が付きやすくなります。
STEP2. ペインの洗い出しと対策を検討する
顧客の期待値を洗い出した後は、顧客、自社のペイン(悩み/原因)を洗い出します。「自社のペイン」に対して、どのように対策・解決を行っていくのかを考えることで、自社に合った施策を特定するための検討材料として利用します。
図2.D列~F列のイメージ |
D列:顧客のペイン
実際に貴社のWebサイトやメールに触れた場合に、顧客はどんなことを思うだろう、を書き出していきます。
ここでは、マイナス面での顧客の気持ちをメインにします。この工程も、自社サイトや実際に送信しているメール等を確認しながらだとイメージがしやすくなります。
今後必要な解決策を明確にすべき要素ですので、できるだけ出していきましょう。
E列:自社のペイン
顧客が受けるマイナス感情を生んでしまっている自社の原因を書き出していきます。
これがそのまま解決すべき課題の方向性となってきます。
解決策を想定しながらではなく、あくまで何が原因なのか、何を自社が提供できていないのか、何が自社の解決したい課題なのか、から書き出していきます。
書き出すにあたり、解決手段・施策ありきで書き出してしまうと、顧客の課題解決が目的ではなく、施策を実行することが目的になってしまうので気をつけましょう。
F列:どうすれば解決するのか
サンプルテンプレートでは、想定される解決手段を記載しています。
シャノンのサポートサイトや、世の中のWebページ等から、「自社のペイン」を解決する手段を探して記載していきましょう。
ここで解決方針が出せたら、サポートサイトで記事を検索する等を行い、具体的な解決策を見つけていきます。
1.3 実際にやってみる
サンプルでは様々な解決手段を記載していますが、自分たちの状況によっては実行の優先順位は異なります。そのために、まずはじめに実行の優先順位を決めていく必要があります。
マーケティング初心者の方は、顧客が「申込フォームから個人情報を入力してもいい」と思えるコンテンツが不足していることがよくみられます。
しかしながら、「提供できるもの」「提供できる価値」の二つが存在しないことには、顧客はフォームに登録する理由がありません。ウェビナーやセミナーの実行、ダウンロードできる資料を増やす等、「顧客がフォームに登録してもいい理由」を優先して用意しましょう。
施策の洗い出し、優先順位が決定したら、以下の表を参考に、シチュエーションに沿ってサポートサイト内のコンテンツを探していきます。
シチュエーション | どうすれば解決するか |
---|---|
解決したい課題を検索する |
|
会社の情報やサービス・製品の内容を確認する |
|
資料ダウンロードやお問い合わせフォームに遷移する | |
フォームに登録する ★ゴール(登録顧客を営業へ渡す) |
|
メールを受け取る |
|
メールURLクリック |
|
Webページ訪問 (製品やサービスページ・メディア記事への訪問) |
|
フォームに登録する ★ゴール(登録顧客を営業へ渡す) |
|
02KPI目標を立てる
皆さんが目標を設定・管理しやすいよう、一般的なマーケティングの予算管理を目的としたシートをご用意しています。
本ページの説明は、本資料を用いて行いますのでぜひダウンロードボタンから資料をダウンロードしてご利用ください。
マーケティング予算管理シート(簡易版) |
2.1 KPI目標の立て方を理解する
目標・KPIを定めることで、「どの工程に対して、どのような改善を行えば目標を達成できるのか」を明確にすることが可能です。
マーケティングでは「多くの人に自社について知ってもらい、その中から商品を購入する人をいかに残すか」がポイントになります。
そのためには、まず目標・KPIの設計を行う中で「どれくらいの人数に自社を知っていただく必要があるのか」「その人たちをどれだけ効率的にゴールまで導くのか」を明確にすることが重要です。
2.2改善が必要な工程を理解する
今回は例として、購入をゴールとした「認知⇒獲得⇒商談⇒購入」の流れを図としてあらわしてみます。
下記図(図1)を見ると、獲得から商談の工程に移行する間で多くの人が減っていることから、「この工程に問題がありそうだ」ということが分かります。
そこから問題に対してピンポイントで改善施策を実施でき、問題を改善することでより多くの人をゴールに導くことが可能となります。
図3.ゴール到達までの流れ |
次項では、その具体的な方法をご案内します。
2.2 KPIの目標を立てる
計画の最初では「売上目標の達成のために各工程で必要な要素の数(=KPI)」を明確にすることが大切です。
そのためには売上目標をたて、目標値から受注率などを踏まえ逆算することで、目標達成のために必要なKPIの値を算出することが可能です。
例えば、目標を「年間1,000万円の売上」「受注単価20万円」とした場合は、以下図(図2)のような考え方ができます。
図4.目標達成に向けた考え方 |
03KPI実績値を取得する
3.1 KPI実績値の取得方法を理解する
マーケティング予算管理シートの「予算策定シート(簡易版)」を使用することで、ゴールの目標金額から各工程のKPIの値を算出することが可能です。
シート内の必要な項目に以下順番で値を入力すると、各工程での必要な値が表示されます。
今回は「2.2 KPIの目標を立てる」で策定した値を入力し、ゴール達成のために必要な各工程の値はどれぐらい必要なのかを自動で算出してみます。
年間のKPIを算出することで、必然的に月ごとの目標数も明確にすることが可能です。
次項では月ごとの目標値を使用し、実績とのGAPを確認します。
図5.予算策定シートの入力 |
3.2 KPI実績値を取得する
お客様のフェーズに合った改善施策を行うために、工程ごとのKPI実績取得方法を確認してみましょう。
以下の記事より詳細を確認することが可能です。
例えば、サイト訪問数やユーザ数等、Webサイトへのアクセス状況の実績値をGoogleAnalytics4(GA4)を利用して確認します。
図6.PV(ページビュー数)のイメージ |
04まとめ
この記事では、カスタマージャーニーマップを活用したKPI目標の考え方をご紹介しました。
施策を実行する際には、「実行すべき施策の洗い出し」「施策の実行優先度」を考えるために
カスタマージャーニーマップを作成して、自社に合った施策の特定できるようにしましょう。
|