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XR、VR、AR、MRとは何? XRの活用事例、現状の課題と今後を解説!
XR、VR、AR、MRとは何? XRの活用事例、現状の課題と今後を解説!近年、「XR(クロスリアリティ)」という言葉を耳にする機会が増えました。このXRとは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった、現実世界と仮想世界を融合させる様々な先端技術の総称です。これらの技術は、ゲームやエンターテイメントといった分野を超え、ビジネス、教育、医療など、多岐にわたる産業や私たちの日常生活にまで、その活用範囲を広げています。かつては専門的な分野で利用されることが多かったXRも、技術の進化やデバイスの普及により、より身近な存在になりつつあります。本記事では、まずXRを構成するVR、AR、MRそれぞれの技術について、その意味や違い、位置づけを分かりやすく解説します。次に、様々な分野におけるXRの具体的な活用事例をご紹介。そして、現状の課題と今後の展望についても深く掘り下げていきます。目次ToggleXR、VR、AR、MRとは何かXRとはVR、AR、MRとはXRとメタバースの違いXRが注目されている理由顧客体験の向上技術とデジタル環境の進展コロナ禍やSDGsなどの社会的要因XR活用の現状XRの活用事例大阪・関西万博にみる最新のXR活用XRの課題と今後への展望XRの現状における課題XRの将来展望メタバースイベントプラットフォーム「ZIKU」とはまとめXR、VR、AR、MRとは何かXRとその要素であるVR、AR、MRについて解説します。XRとはXRとは、英語の「ExtendedReality」、和訳すると「拡張された現実」、つまり現実と仮想世界を融合させる技術を総称する略語です。XRの元の英語として「CrossReality」が使われることもあります。CrossRealityとExtendedRealityはほぼ同じ意味ですが、CrossRealityのほうは「現実世界と仮想世界がクロスする」というニュアンスがより強い場合もあります。XRは、VR、AR、MRなどの技術の総称です。VR、AR、MRについてこのあと解説します。VR、AR、MRとはXRの主な要素として、VR、AR、MRがあります。以下に概要をまとめています。XR(ExtendedReality)の3要素VRARMRVirtualRealityAugmentedRealityMixedReality仮想現実拡張現実複合現実概要デジタルで創られた仮想の空間現実世界にデジタルな情報を追加現実世界と仮想世界の高度な融合特徴現実世界のような没入感がある現実世界での体験がメインリアルタイムで現実と仮想が相互に作用する現実との関係性現実からほぼ隔離現実を拡張現実と仮想が作用しあうデバイスVRゴーグルVRトラッカーVRグローブスマートフォンタブレットARグラスMRゴーグル遠隔操作ロボット各種センサー など具体例ゲームアトラクションシミュレーションゲーム(ポケモンGO)試着アプリARナビゲーション遠隔手術製造・建設の遠隔管理MRイベントVR(VirtualReality)VRとは仮想現実のことで、「バーチャルリアリティ」という言葉はすでによく知られています。「VRゴーグル」によって3DのCGによって創られた仮想空間に入りこみ、「VRトラッカー」「VRグローブ」などにより手足の動きを仮想空間に伝えて現実の空間に近い体験ができ、没入感を高められます。VR技術は特にエンタメ分野では定着しており、VRを体験できるアトラクションが一般化しています。今後はビジネスや家庭での活用が本格化していく見込みです。AR(AugmentedReality)ARは日本語で拡張現実と呼ばれる、現実世界にデジタルで情報を追加する技術です。ビデオカメラで映した現実の映像や、メガネや窓越しに見える現実世界に、画像・テキスト・3Dオブジェクトを重ねて表示させます。シンプルなARはスマートフォンやタブレットでも活用が可能です。具体例としてはポケモンGOやドラゴンクエストウォークが有名です。現在はミュージアムのナビゲーション、試着やメイクのシミュレーションなどにも活用されています。MR(MixedReality)複合現実と呼ばれるMRは、VRとARを発展・融合させた技術です。ARでは現実世界に仮想オブジェクトを表示させますが、MRでは仮想オブジェクトを現実世界と同じように直接触ったり動かしたりできます。そのために精度の高い空間マッピング技術を要します。MRは発展途上の技術ですが、産業への活用が期待されています。医療では遠隔手術、建築業では現場に建物イメージを表示させて作業を確認といった実用化が始まっています。MRは介護や視聴覚支援などの分野でも期待されています。最新XRが活用されている、初音ミクを例にとってみます。インターネット上のバーチャルなライブ会場は、VR。一方、リアルなイベント会場のステージに初音ミクが登場することもありますが、こちらはARです。ホログラムで投影された初音ミクが観客の声援に応えたり会話をしたりするのがMRです。このように、VR、AR、MRは複合的に活用されています。このほかに、SR、DRという技術もあります。VR、AR、MRほど一般的ではないですが、用語として覚えておきましょう。SRSRはSubstitutionalRealityの略で、代替現実と訳されます。現実世界の一部を過去の映像に置き換えて表示させることで、現実と仮想世界の境界があいまいになります。ユーザーは過去を現在のように体験する可能性があります。この技術はトラウマの治療などでの活用が期待されています。DRDRはDiminishedRealityの略で、減損現実と訳されます。実際に現実世界に存在するものをリアルタイムで見えなくする技術です。街中の人や広告、建物などを見えなくしたときの現実世界を体感することができます。SRやDRも、XRに含まれます。XRとメタバースの違い似たような概念であるXRとメタバースの違いは何でしょうか。メタバースは、XRを使ってWeb上に構築された仮想空間です。シャノンでは、メタバースを以下のように定義しています。メタバースには複数の参加者がいて、他の参加者とコミュニケーションできます。また、メタバース内では仮想通貨による取引がされ、所有権も確立されています。メタバースはバーチャルではありますが、現実とは違うもうひとつの世界として、自律的に存在します。メタバースの根幹となる技術はVRです。VRゴーグルを装着することでメタバースにおける没入体験ができます。観光地や街のリアルな映像、リアルなアーティストのライブ配信などがメタバースに取り込まれることもあるので、ARも一部で活用されています。つまり、XRは技術の総称、メタバースはXRを活用して創出された仮想空間の総称です。参考:メタバースとは?仮想空間でできること、定義や利用メリット、ビジネス活用の具体例を解説XRが注目されている理由XRが注目される理由について整理します。顧客体験の向上数ある商品やサービスのなかから選ばれるためには、顧客にとって価値ある体験を提供することが重要です。今までもデジタルからは豊富な情報を得られていましたが、XRではさらに顧客体験を向上させることができます。現実世界に近い没入感が得られることと、仮想世界のなかで双方向のコミュニケーションが可能になったこと、この2つがXRのポイントです。XRは、顧客にとってほかではできない体験が得られるという点で優れています。また、時間や身体の制約があるユーザーにとっての利便性向上にも役立つでしょう。今後、マーケティングにさらに活用されていくと期待できます。技術とデジタル環境の進展この数年の間にVRゴーグル(ヘッドセット)は解像度や視野角などの性能が向上し、軽量化・低価格化も進みました。センサーや空間マッピングなどのXRを支える基盤技術も進展しています。また、5Gによる高速・大容量が普及して通信環境が整備されたことにより、XRで重要な双方向のレスポンスが安定的になり、医療やプロダクト開発など、遅延のないリアルタイム通信が欠かせないMRの実用化が進みつつあります。XRを動かすソフトウェアも進歩しました。試着やメイクなど、スマートフォンで手軽にARを使えるアプリも増えています。さらに、近年の生成AIの進化によりXRのコンテンツ作成コストが削減されたことも、各分野における実用化の可能性を広げています。コロナ禍やSDGsなどの社会的要因コロナ禍ではリモートワークやオンラインミーティング、ウェビナー、バーチャル展示会などが広まり、終息後もこうしたオンラインの活動が定着しました。対面のコミュニケーションやイベントのみならず、プロダクト開発や人材トレーニングなどの領域でもXRによってリアルな活動の一部が代替されることは、コストと環境負荷を低減させます。企業においてはサステナビリティ経営の観点からも、XRが注目されています。また、教育や医療の格差解消に役立つXR技術活用にも期待がかかっています。XR活用の現状XRは多様なシーンで活用されるようになってきました。以下にまとめます。XRの活用事例各分野で活用されている事例をまとめます。エンターテインメント初音ミクの例でもわかるように、エンターテインメント領域ではXRの最新技術が活用されています。VR:ゲーム、バーチャル&ライブイベント演出、テーマパークのアトラクションAR:位置情報スマホゲーム、観光地やミュージアムのARガイド、ARライブMR:インタラクティブなライブ演出やアトラクションショッピング、不動産買い物や不動産の分野でもXRが導入され、ユーザー体験の向上と差別化が進んでいます。特にVR、ARの実用化が進んでいます。VR:VR店舗、竣工前のマンションや遠隔地の物件のVR内覧、VR眺望確認AR:試着アプリ、メイクシミュレーション、家具配置シミュレーション、内装シミュレーションMR:バーチャル接客医療医療の分野では医師が不足している地域にも医療サービスを届ける観点からXR導入が進められています。手術を例にとると、トレーニングではVR映像を活用、実際の手術現場では術野にCTなどの画像を重ねて表示させたりするARナビゲーション、遠隔地の患者を医師が手術するときにはMRが活用されます。VR:手術トレーニング、医療研修、VRリハビリテーション、VR心理療法AR:手術支援(ARによるナビゲーション)MR:遠隔手術、遠隔治療ビジネスリモートワーク、リモート会議の現場にXRを取り入れることにより、円滑なコミュニケーション、作業のスピードアップを図ることができます。また、オンライン上のビジネスイベントではVRやARを活用するメタバースイベントの進化が期待されます。VR:VRオフィス、VR会議、メタバース展示会、VR研修AR:3Dプレゼンテーション、AR広告MR:遠隔での共同作業、MRワークスペース(仮想モニター上で作業できる)製造業、建設業製造業や建設業の現場においては、ARやMRによる業務効率化と安全性の確保が進められています。VR:危険を伴う作業や機械操作のVR研修AR:作業ナビゲーションMR:デジタルツインによる業務可視化、トラブル箇所の遠隔モニタリング大阪・関西万博にみる最新のXR活用大阪・関西万博ではさまざまな展示に最新のXRが導入されており、技術の現在地と今後の方向性を知るための参考になります。(経済産業省「大阪・関西万博XRやメタバースの活用事例まとめ」)以下は、リモートでXR体験ができるコンテンツの例です。バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~大阪・関西万博のバーチャル会場です。ユーザーはアバターとして来場し、各パビリオンを訪問、イベントにも参加できます。リアルな万博をバーチャルに体験できるだけでなく、バーチャルならではのコンテンツも提供されています。バーチャル大阪ヘルスケアパビリオン大阪ヘルスケアパビリオンのバーチャル版では、展示やアトラクションのほか、音楽ライブイベント、ユーザー参加型のコンテンツなどを体験できます。サイト内に中小企業のスタートアップ展示会場も開設されています。みんな暮らしの街2050年の大阪の街が舞台。未来の医療や福祉のサービス、地域コミュニティのしくみを体験できます。どこでも万博withスペシャルキッズ病気や障がいで制限を抱える子どもたちがリモートで万博を体験できる試みです。XRの課題と今後への展望XRは発展途上で、まだまだ課題があります。課題と将来展望をまとめます。XRの現状における課題現状におけるXRの課題として、以下が挙げられます。デバイスによる制約XR体験に欠かせないVRゴーグルですが、日本での普及率は10%未満と推測されています。まだ価格が高いこと、重くてフィット感に欠けること、バッテリーが長持ちしないことなどが要因です。ゲームなどではVRゴーグルを装着しなくても十分楽しめてしまっている現状があります。コンテンツの不足まだ高品質かつ満足度の高いコンテンツが豊富とはいえません。XR未体験の人にも知られるようなキラーコンテンツが更に必要です。クリエイターの人材不足も課題です。UXの不備VRコントローラー、その他デバイスの操作は慣れるまで時間がかかり、長時間使用できないことやVR酔いも問題です。快適に体験できるよう、UX改善が必要です。通信の不備通信環境は少しずつ整備されてきていますが、都心以外の場所ではまだ不足しています。だれもが最新のMRを遅延なく体験できるような改善が必要です。収益化の難しさXRの開発やコンテンツ制作にはコストがかかる一方、ユーザーが急速に増えていかない現状において、ビジネスモデルの確立が課題です。たとえば2024年にはエンターテイメント系メタバース『VARK』がサービスを終了しました。今後も成長する市場であるという期待はされるものの、現在の状況はやや停滞した踊り場にあるといえます。法制度やプライバシー保護の問題XRは新しい技術なのでルールが定まっていません。倫理的な問題や個人情報が収集されるリスクなどについての世界的な法制度化も課題です。XRの将来展望日本ではVRゴーグル普及率が10%未満ですが、アメリカではすでに若い世代で33%に普及しているという報告もあります。()このような世界トレンドに沿って今後日本でもXRが進展していくと予測できます。デバイスの進化デバイスの高機能化、軽量化、UX向上、および低価格化が不可欠です。現在提供されているデバイスのなかではAppleVisionProがリードしていますが、非常に高価です。また、Metaは見た目がほぼサングラスのスマートグラス「Ray-BanMeta」を発売しました(日本では未発売)が、このデバイスも将来的にはXR対応すると計画されています。産業用XRが本格化製造業、建設、医療などの現場におけるXRの活用は今後進展していく見込みです。現場における人材不足、安全性向上、コスト削減などの課題に対するソリューションとなるXRには期待がかかっています。介護、障がい者支援分野への活用認知症の患者のケアやリハビリテーションプログラムへのXRの活用が始まっています。また、バーチャル盲導犬のような支援システムの研究も進んでいます。五感による体験の提供嗅覚・味覚・触覚をデジタル化する技術はすでにあり、今後はXRに追加されると予測できます。AI、ドローン、メタバースなどの融合産業や介護のためのXR開発にはAIなど他の技術も不可欠です。メタバースについては、エンターテインメントを目的とするものだけでなく、ビジネス向けメタバースの活用が期待されます。メタバースイベントプラットフォーム「ZIKU」とは「ZIKU」は、企業がメタバースイベントを主催できるプラットフォームです。一般的なオンラインイベントの場合、オンライン会議やウェビナーとの違いがあまりなく、来場者は必要とする情報を得られるものの、期待以上の体験を得られないこともあるでしょう。一方、メタバースイベントではアバターとして会場を回遊することにより、能動的に情報を発見できたり、他の人との会話で満足度が増したりします。ZIKUは、CG制作費不要、低予算でメタバースイベントを開催できます。また、イベント開催の前後における参加者管理機能も準備。顧客企業の商談創出を強力にサポートします。まとめ本稿のポイントは以下です。1. XRとは現実と仮想世界を融合させる技術の総称です。XRは今後さらに進展して活用が広がると期待されています。2. XRの主な技術としてVR、AR、MRがあります。《VR》仮想現実。没入できる3D仮想空間のことです。《AR》現実の世界にデジタルな情報を追加することです。《MR》現実世界と仮想世界が融合し、相互に作用し合う高度な技術です。3. XRが注目されている理由として、以下があります。・顧客体験の向上・技術とデジタル環境の進展・コロナ禍やSDGsなどの社会的要因4. XRが活用されている分野として以下があります。・エンターテインメント・ショッピング、不動産・医療・ビジネス・製造業、建設業5. XRの課題は以下です。・デバイスによる制約・コンテンツの不足・UXの不備・通信の不備・収益化の難しさ・法制度やプライバシー保護の問題最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。また、シャノンコンテンツアシスタントでは、主にセミナー集客メールのタイトルと内容、記事集客メールのタイトルと内容、記事本文の生成が可能です。⇒マーケティング専用生成AIクラウドのサービスサイトはこちら