本STEPでは、前記事でお伝えした、質が悪いリードの原因解消に向けて、リードが購買するまでのストーリー設計をカスタマージャーニーマップを利用して行う方法についてご案内します。
図1.本STEPで実行する要素 |
01本STEPで実現すること
顧客の心情変化を起こす購買ストーリーを作成する
前回のSTEPでもお伝えしましたが、商品やサービスを購入する際は、まず顧客が問題意識を持つ必要があります(認知)。
商品やサービスに興味を持ち、関心を抱くようになり(興味・関心)、その後、比較検討を行うことで、最終的に商品やサービスを購入するためのアポイントや商談を行います。
顧客がこのストーリーに乗れるよう、心情変化を意図的に起こす必要があります。
具体的に興味を持ってもらうためには、商品やサービスをよく知ってもらう必要があります。
そして、比較検討をするために、顧客に十分な情報を提供し、商品やサービスの特長やメリットを明確に伝える必要があります。
最終的に商談をするためには、顧客のニーズを把握し、適切な提案をすることが必要です。
このように、顧客の心情変化を意図的に起こすストーリーを作成するためには、顧客がどのようなニーズや関心を持っているのかを理解し、それに合わせた情報提供や提案を行うことが重要です。
本章では、そうした顧客の心情変化を起こすストーリーを作成する方法をご案内します。
図2.商談に至る段階にない例 |
02どうやって進める?
マーケティングのフェーズに合わせて、リードの状態・行動を分析することが重要です。
まずは「決裁者」を想定したストーリーを組み立てます。
このストーリーでは、決裁者がどのような心境で、どのような行動をとるのかを想像しながら、具体的に検討します。
ストーリー作成は担当者と決裁者それぞれが行うことが望ましいです。
しかしながら、今回は初めてのストーリー構築を行うため、最も注力するべきペルソナ として決裁者に絞り設計を行います。
担当者のストーリーは、後のフェーズでインサイドセールスの運用を設計する際に、改めて設計し直すことをオススメします。
本章では、以下のカスタマージャーニー マップを利用し、このストーリーの設計を行っていきます。
03ワークの進め方
図3.ワークの進め方 |
3.1 目的・ターゲットを明確にする
3.1.1 テーマを決める
まずはじめに、現在の問題点を理解し、目標を設定することが重要です。
具体的なテーマ(目的)や目標達成の期限を決めて、方向性を明確にしましょう。
テーマがはっきりしなければ、プロジェクトはうまくいかないことがあるため、この工程は欠かせません。
検討フォーマット資料をダウンロードし、入力例を参考にしながら、まずはテーマを決めましょう。
もし、ワークを進めていくうえで迷った場合は、このステップに戻ることをおすすめします。
- スタート:顧客が抱えている課題を想像してみてください
- ゴール:製品・サービスの購入や、購入を行う直前の顧客の状態を想像してみてください
要素 | 説明 | 例 |
---|---|---|
企業名・部署名 |
自社名、自分が所属している部署名 自社や部署のミッション |
株式会社◯◯ マーケティング部 ミッション:顧客の創造・顧客LTVの最大化など |
商品・サービス | 販売したい商材 | クラウド型マーケティングオートメーションツール |
スタート | 自社と関わり始める際の顧客の状態 |
|
ゴール | 自社との関わりが終わる際の顧客の状態 | ツールを導入することで確実に成果をあげられると確信した状態 |
期間 | スタートからゴールまでの期間 | 6ヶ月 |
3.1.2 ペルソナを設定する
登場人物を設定し深掘りする
ストーリーを作るためには、登場人物の設定が重要です。
特に、主人公の性格や行動の傾向を決めておかないと、ストーリーが一貫性のないものになってしまう可能性があります。
良いストーリーを作るためには、登場人物や世界観の設定など、高品質な情報が必要です。
このため、決裁者(最終的な決定をする役割)と非決裁者(情報収集をする役割)を登場人物として設定し、彼らの深いキャラクター設定を行うことが重要です。
記載すべき要素のポイント
基本情報では、ターゲットの「企業」「個人」の二軸から検討を行います。
※実在の企業や人物をペルソナに設定すると、発想が限定されてしまうために避けましょう。
顧客が商品・サービスを検討する際には、なぜその商品が必要なのか、既存の商品・サービスでは不満足な点があるのか、検討しない場合のリスクなどを考えます。
加えて、顧客の行動パターンや、情報収集に利用するチャネル、なども明確にしましょう。
図4.ペルソナ設定イメージ |
3.2 見込み顧客の行動を深掘りする
次に、マーケティングのフェーズに合わせてリードの状態・行動を分析することが重要です。
まずは、「決裁者」を想定したストーリーを組み立てます。
このストーリーでは、決裁者がどのような心境でどのような行動をとるかを具体的に検討しましょう。
ただし、本来ストーリー作成は担当者と決裁者それぞれに対して行うことが望ましいものです。
今回は初めてのストーリー構築を行うため、最も注力するべきペルソナとして決裁者に絞り設計を行います。
担当者のストーリーは、後のフェーズでインサイドセールスの運用を設計する際に改めて設計することをオススメします。
3.2.1 ニーズやペインを明確にする
ここまでに紹介された登場人物たちが行う可能性のある行動について、その際に想定される困難や課題を洗い出していきましょう。
各フェーズでの行動の目的や意図、そしてそれを実行する際に直面する可能性のある課題や障害について、できる限り詳細に書き出していきましょう。
自分が主人公になりきるのではなく、「このタイプの人はこう思うだろう」という観点から思いつく限り多くのアイデアを出すことがポイントです。
図5.各購買フェーズ毎のニーズやペインの検討例 |
3.2.2 顧客接点と自社の行動を明確にする
今回は、これまでに検討してきた要素を基に、自社とリードが関わるポイントを明確にしていきます。
各フェーズでの接点を洗い出し、その接点を有効に機能させるために自社が行うべきことを検討します。現状で行っている事の他、ここまでのステップ記事を参考に、実行すると良いものも含め洗い出してみましょう。
図6.各購買フェーズ毎の施策例 |
3.2.3 対策を考える(課題や改善ポイントの検討)
前工程で検討した、理想的な要素と現状の差異を洗い出し、改善ポイントを明確にしていきます。
現状で満たされていないものを書き出し、どのように改善するかを検討します。
図7.各購買府フェーズ毎の課題と改善例 |
3.3 実行可能な状態まで自社の行動を分解する
3.3.1 各フェーズの指標を定める
登場人物が、現在どのフェーズにいるかを判断するための基準を明確化しましょう。
具体的には、分類に使用する指標を定め、事前に設定したアクションを迅速に実行できるようにします。
指標は具体的かつ測定可能であることが重要です。
図8.各購買フェーズ毎の目標指標例 |
3.3.2 ストーリーの骨子を検討する
最後にこれまでの内容を利用して、顧客がアポイントに至るまでのストーリーを決めていきます。
各フェーズ毎に「顧客に対してどんなことをどんな順番で行うのか」を決めて記載していきましょう。
詳細なシナリオは次のSTEPで深掘りするため、ここでは基本的な流れを簡潔にまとめます。
ポイントは顧客がこんな行動をしたら自社はこう返すというお互いの行動に対するアクションを決定していくことです。
図9.各購買フェーズ毎のアプローチシナリオ例 |
4まとめ
たくさんの要素の検討お疲れ様でした。
ここまでの検討で、皆さんが相対するリード像・それらに対する実行すべき要素が検討できました。
以降のステップでは、検討した要素を実際のアクションに落とし込むため、シナリオの詳細作成方法をご案内いたします。
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